【blog】「元気がでた」

 

静岡に続き、宇都宮での公演も終了しました。

 

RoMTとして初めての栃木県内での公演を目撃しにいらしてくださったお客様に心からの感謝いたします。そもそも両親は栃木出身ですし、実は私自身も栃木(市)生まれ。1年半前までは本籍も栃木にありましたから。それだけでも今回の公演は感慨深いものだったわけです。

 

そして今回のツアーで唯一の関東圏での公演ということもあり、栃木県内の方々だけでなく、東京からも多くの方がいらしてくださいました。都内からだと電車でも2時間弱、片道運賃2,000円せずに行けるので意外と近い感覚のある宇都宮ですが、それでもやっぱり下北沢に行くのとは全然違うわけで。それでも足を運んでくださる方がいらっしゃった事実に、心から感謝したいと思います。その価値があった、と、思っていただけていると良いのですが。責任重大だなあと、改めて思います。

 

今回のツアーはどこも席数を【25】くらいに設定していますので、一回の公演をご覧いただけるお客様の数は、小劇場の公演と比較しても決して多いわけではありません。でも、演劇における舞台と観客の関係は、いつだって《(1対1)× 客席数 》。こうした少数の空間であればあるほど、関係性が濃密になる分、むしろ責任はずっと重いのかもしれないし、私たちはあらゆる(演劇的な)手段を使ってちゃんとおもてなししなくっちゃ!という気分になったりもします。

 

 

宇都宮で一番びっくりしたのは、、、公演終了後のアフタートークのとき、RoMTの作品を観るのは2度目というお客様がこんなことを言ってくださったことでした。

 

 

「RoMTの作品を観ると、いつも元気をもらえます」

 

 

・・・あまりにも意外な一言で、スミマセン、正直ちょっと唖然としてしまいまして。思わず、「えっと、、、それはあの、どういうことでしょうか?」って変な逆質問をしてしまったんですが。。。その理由を伺って、なるほどなぁ、そうかもしれないなあ、と腑に落ちた次第。

 

『ギャンブラーのための終活入門』は、確かにある種の成長物語でもあります。じいちゃんの物語でもあり、孫である語り手の物語でもある。じいちゃんの視点で見続けていくと、それは紛れもなく“終活”の話なんだけど、同じ時間の間に、孫は劇中、小学生から中学生(あるいはそのもっとずっと先)へと成長していきます。

 

「物語が多様である」というのは、例えばもし自分が“じいちゃん”に近い年齢であるならば、きっとその物語に触れながらいつのまにかじいちゃんの視点を選んで旅をしていくだろうし、若い方であるならば、ひょっとしたらじいちゃんに寄り添い続ける孫の視点に共感的になって時間を過ごしていくのかもしれない、ということ。確かに上記の発言をしてくださった方は、比較的お若い方でした。物語そのものが多様であるならば、それをできるだけそのままに存在させたい。その場にいるひとりひとり、それぞれのスタンスで物語の“ある層”を選択して、あるいは自由に行き来しながら、その時間を有意義に過ごしてもらえるようにしたい。2010年の『ここからは山がみえる』以降、『十二夜』『ギャンブラーのための終活入門』と、RoMTで製作してきたプロダクションで考えていることはどれもまったく一緒です。多様であること、多様性を放棄しないこと。

 

ある意味ではそれが社会に対するステートメントでもあるわけですが。

 

 

・・・なので、作品を観て「元気出してもらおう!」と思ってたわけでは全然ないですけど、、、でも、そうか、そう感じてくださる方もいるんだなあ、と、いやいや文字通りこちらこそ元気をもらいました。うん、元気がでた。

 

 

そうした皆さんの一言一言が、次もがんばろう、ってなる最大のモチベーションです。いつだって。

 

 

旅は今週末の京都、そして福岡へと続きます。

 

 

まだまだたくさんの方とお会いできますように。懐かしい人たちも含めて。

 

 

 

田野