十二夜の、十二人 その④ 小瀧万梨子(オリヴィア)
演出家の田野です。
先週に続き、今週も沖縄で書いております。今日は那覇市に滞在中。
明日と明後日は、昨年度からお世話になっている、
水納島という離島の水納小中学校でワークショップ。
ワークショップというよりも、自分のなかの意識は完全に作品づくり。
学習発表会の演目として昨年度から演劇発表が行なわれており、
その作品づくりに僕が関わらせていただいているのです。
今年は中3、中2、小4、小1の生徒4名と、沖縄の劇団Team Spot Jumbleから
与那嶺圭一さんと玉榮日也美さんの6名で、30分ぐらいの演劇をします。
さてさて。
すっかり数日に1回ペースが定着しておりますが、、、
今日もゆるりと『十二夜の、十二人』をお送りします。
第4回目は、こちらの方。
オリヴィア役の、小瀧万梨子さんです。
なぜか「センパイ」と呼びたくなるような“姐様”感があります。
・・・あ、いや、かなりいい意味で。
実際はまだまだお若いですし。
ですし?
まあいいか。
小瀧さん、今回初めてご一緒します!
これまではあまり具体的な接点がなかったのですが、
僕は一方的に小瀧さんが出演していたいくつかの舞台、
青年団とかうさぎストライプとか玉田企画とかで拝見しながら、
どんなタイプの芝居でも「ちゃんとしゃべれるんだよなあ、
えらく芯がある女優さんだなあと」、、、常々思っておりました。
桐朋学園出身ということも関係あるとは思うんですけど、
たぶんそれとちょっと違うところにある、小瀧さん自身の芯。
とても興味深く、そして魅力的だと思います。
僕自身はここ何年か、“語り”ということをひたすら考えて芝居づくりをしてきて、
「しゃべれる」という感覚に、やはり興味があるわけです。
“語り”的な意味での「しゃべる」感覚って、観客との距離感が重要で。
圧倒するような声量や一言一句聞ける滑舌の良さがあればいいわけではない。
その音、その言葉が、観客の耳に届くときに、<意味>は届いていながら、
想像の余白を足したり引いたりすることができる距離感でしゃべる、
というのが“語り”の理想だと思っているんですよね。
小瀧さんは、いつだってそういうふうにしゃべれるんだよなあ。
シェイクスピアのセリフとの相性も絶対にいいはず。
今回初めてご一緒しますし、お互いお互いのことをあまり知らないところから
スタートするっていう、結構自分にとっては楽しい状態なのですがいまは、
でも今回の小瀧さんのオリヴィアは、始まる前からの安心材料のひとつ、ですね。
そうそう。
先日、プレ稽古をした段階で、オリヴィアについて大きな発見をしました。
それって、オリヴィアという人のことを理解する上で、
決定的に重要なことのような気がする、というようなもの。
現段階でそれはここに書かないですが(そのあたりはぜひ公演でご確認ください)、
小瀧さんの“芯のあるしゃべり”のおかげで、気がつけたことだなあと、
そういう意味で、これから始まる稽古で、オリヴィアについてどんな気づきが生まれるのか、
それらをどう舞台に乗せていくか、いやー、超楽しみです。楽しみなんです。僕自身。
というわけで、第4回目は、オリヴィアを演じる小瀧万梨子さんの巻、でした。